こんにちは、saccoです。
本日は、白亜地にテンペラの続きです。
リアルな日常で憂鬱な事があった週末、まったりと手を動かせるこういう制作は心を落ち着かせるのに本当にいいです。
写経に似た感じですかね、ただただひたすら一本一本線を描いていると、だんだんといろんな事がちっぽけなどうでもいい事に思えてきます。
自分なりの処世術、持ってらっしゃる方も多いと思います。いろんな事に折り合いつけて、また、今日一日をなんとか生き繋ぐ、そんなことの繰り返しで、いつしか永い年月が過ぎていくのでしょう。
と、まあ、そんな泣き言を言いたかったのではなく、本日は、白亜地セミナーの制作を通じて気付きがあったので、自身の備忘録も兼ねてブログにアップすることにしました。
こちらの作品の続きを描きました。
全体的に明暗がきつく、画面がうるさい感じがしますので、強いコントラストの部分の面積を小さくし、全体的にトーンを抑えていくことにしました。
外側の花びらは色素が少し弱くなり紫に振った色味でしたので、上から紫をグレーズすることに。ただ、透明色でグレーズをすると暗くなりすぎるので、シルバーホワイトを混ぜて少し不透明な感じで彩度を下げた色を掛けてみました。
以下のとおりです。
画像では、微妙な色の違いが分かりにくいですね。
彩度を落とした紫は画面の中で、その他の部分と調和せず、なんだか「別物」な感じになってしまい、汚く見えてしまいました。
そこで、助けて先生callです。
sacco、
「なんだか、汚い感じになてしまったんですけど、どうしたらいいでしょう?」
先生曰く、
「別の色味になってしまった花びらの一部に鮮やかな色を少し掛けて、”寄せて”あげると馴染みますよ。」
sacco的には半信半疑、この彩度の落ちた花びらに更に鮮やかな色を掛けたら、それこそ違和感モリモリになっちまいます~。ほんまですか~。
ま、他の妙案もなかったので、騙された(!?)と思ってやってみることに。
う~ん、見えるかなあ。シルバーホワイトが混ざった濁った感じの花びらに僅かに鮮やかなキナクリドン(ピンク)を潜ませてみました。
もちろん、花の画像をしっかり観察して、ここぞ、というところに少量仕込みます。
結果は、先生のおっしゃるとおり、別物の違和感がなくなり、違う色味に振った部分が画面全体のリアリティをぐぐぐっと上げました(褒めすぎか!!!)。
いや~、知りませんでした。始めての体験でした。世の中の素晴らしい作品は、こんな秘密が仕込まれていたんだな~!
ま、拙い手なので十分ではありませんが、”寄せる”技法は始めての発見で、なんだか一歩前進できたような満足感がありました。
ありがと、センセ。さすがやわ。
いよいよこの作品も、ゴールに向けて最終調整で完成しそうです。長かったわ~。
さて、明日からまた一週間、息切れしないように頑張っていきましょう。おう!