こんにちは、saccoです。
本日は静物画の構図について、自分なりに工夫した点について。
良い構図というのはどのようなものでしょう?
こと静物画については、構図が絵画の善し悪しを決める大きな要素になるので、ここはバシっと決めたいところ。
良い絵は画面の上で視線が次へ次へとグルグル繋がって止まらないと言います。う~ん、解るような解らないような。。。
アカデミックな絵画教育を受けていないsaccoは(実はこれがちょっとコンプレックスだったりします)構図については全然自信がないというのが本音。ま、良くは分からないんだけど、とりあえず重なり過ぎてたり、一方に偏り過ぎてたり、並び過ぎてたりせずに自然に画面に収まればいいかな。今は未習得なので、考え過ぎずに最低限の注意事項を意識して描きながら学んでいきたいと考えています。
今回の事例は以前の記事にも登場したイワシの静物画です。
作品の制作にあたっては、自分の家にある品々を組み合わせ、暗室で写真撮影を行いました。
岡山にご実家のある友人からいただいたマスカット、近所のデパート食材売り場で買った大羽イワシ、骨董市で買ったハクション大魔王に出てくるような真鍮の水差し(例えがかなり古い)、同じく真鍮のキャンドルスタンド、アルコールランプ、台は英国アンティークのネストテーブル、それに藍の柄が美しい丸皿です。お気に入りのgoodsを集めました。
何故、イワシ? と、よく聞かれるのですが理由は簡単。お店の魚売り場にあって、頭、尾ビレがついていて、内蔵の処理がされていない魚はこれしか無かったのです。開きとか、切り身とか、干物ではちょっとね(笑)。
撮影にあたっては、光源を蝋燭の光だけにして、ラトゥールのような劇的な画面にしようかと思いましたが、暗すぎて魚が判別不明、却下としました。
何枚か撮影した結果、静物が綺麗に見えて、台と静物の関係がピタっと来たこちらの画像を採用することにしました。
う~ん、しかし、しかし、お皿の柄や魚の重なった感じは、もう少し上から見下ろしたアングルの方が美しい。ああ、悩んでいるうちに、蝋燭が段々短くなる。。。アセアセ
これくらいの角度だったらどうよ?
でも、これだとお皿はいいんだけど、なんか画面が落ち着きません。台から垂れる手前の布などは空間の奥行きを感じさせるのに取り入れたいところ。目線を下げて水平に近いアングルの方が決まります。
う~ん、う~ん、魚を取るか台を取るか、、、と頭を抱えて悩んでいたら、アースクールの先生が一言、「合成したらええやん」。
え^_^;? いいんですか? 合成ってありですかあ~!???
あり、でした。
そうだ、かのフェルメールも「牛乳を注ぐ女」でやってるではないですか。
かのセザンヌも林檎を重力無視して好き勝手ほうだい並べているではないですか!!!
という事で、合成して制作した作品がこちらです。
どうでしょう?
そう言って見てみると、なんだか不自然な事に気付かれましたか?
お皿がちょっと宙に浮いたような。。。
それでも、イワシとお皿が綺麗に見える作品になったと思っています。
この作品で学んだこと、絵画は必ずしも正確さを追求しなくても、最も美しく見える構図を自分で作り込めばいいんだ、という事。
微妙な不自然ささえも、その作品の魅力にしてしまう、という事(ちょっと強引か)。
後は描いてる本人が自信を持って、確信をもって「偽る」ことです。
迷いながら描くと、きっと作品にも迷いが見え隠れしてしまうに違いありません。
このように作品を造ると、ちょっとした謎かけを作品に隠し込んでいるようで楽しいですね。ますますお絵描きが楽しくなる発見でしたよ。
読者の皆さんも試してみてください。
以上、本日は静物画の構図について、自分なりの発見をご紹介しました。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。