こんにちは、saccoです。
桜のシーズンも終わり、これから梅雨がくるまでの短い期間、ここちよい春を満喫したいですね。
さて、今年も日春展の結果がでまして、ありがたい事に無事入選させていただくことができました。はあ、もう4回目か、、、月日が経つのは本当に早いですね。
日春展についてはこちら。本日より東京展が始まっています。
私の作品は、東京展、京都展で展示されます。
さて、と言うことで今回は出品作品の制作の過程を記事にしてみたいと思います。
というのも、作家さん達はどんな風にして作品を仕上げられるのかな、というのが私自身も気になっているから。最近は絵画展に行っても、作家のスケッチや草稿などに注目してしまいます。一例ではありますが、何かの参考になれば幸いです。
1.テーマ設定
過去3回は盛り上げと箔で作品を作りましたが、今回は以前にご紹介したクルーズ船飛鳥公募展の出品作品の流れで、盛り上げ無しで枯れ草の銀箔硫化で作品を作る事に決めました。それだけで説得力のある作品になるのか。。。少々不安。飛鳥公募展は以下の記事をご参照ください。
2.小品でお試し
先ずは小品(P20号)で作品化できそうか、手順の確認も含めて検証してみました。
案の定、しっちゃかめっちゃか。手順としてはパネル全体に銀箔を押し、下図を転写、箔を焼かない箇所を膠でマスクして硫黄で焼くという方法。一番の問題は焼きたくない箇所まで焼けてしまったこと。その他、岩絵の具での描写とのバランスや、枯れ草の描写、水面の処理など、いろいろと課題が。最後は、ま、なんとかなるだろうと判断し本作の制作に取りかかりました。
3.取材
近所の武庫川の河川敷をブラブラ。作品にしようと思って見ると、ただみすぼらしいだけ(!?)と思っていた枯れ草も、とっても風情があることに気づきました(笑´∀`)。
4.小下図
まずはF4サイズで、どの草を描こうかなあ、とラフに描き起こし。
どの子も魅力的なしなり方で、絞り込みに悩みます。
5.本画下書き
小下図をもとに実物大(F60号)のサイズで模造紙に描き起こします。
単純に転写するだけなら拡大コピーで十分なのですが、実物大で描くことで、よりベストな構図やサイズ感などが見えてきます。何度も訂正しながら描くことで対象の形の魅力に気づくことも多く、面倒なようで意味のある工程です。(と思っています)
6.パネルに箔押し~転写~膠どめ~1回目箔焼き
上記一気に工程進めていますが、なかなかに大変な作業でした。年末年始、スクールがお休みの間に進めました。
膠どめを何層も行ったので、焼けどめはかろうじて合格点。
甘く焼けた箇所(赤茶色部分)を焼きすぎないように注意しながら、枯れ葉の形をしっかり出すため調子を見ながら、この後も何回かに分けて箔焼きました。
一部、アイロンに箔がくっついて剥がれるアクシデントもありましたが修復可能な範囲(ホッ)。
7.岩絵の具で描写
後は画面を眺めながら、形を強く出したい箇所、少し色味が欲しいところ、水面の描写、などを中心に少しずつ描き進めました。
焼箔のおぼろ気な魅力を整えすぎないよう少しずつ進めます。
8.仮額をセットして搬入
最後に仮額をセットし見栄えを確認、必要な箇所はもう少し手を入れて完成しました。なんだか焦げ茶の額のせいで襖絵みたいな雰囲気になりました(^_^;)。
以上、完成までの制作の過程でした。
全体に画像が暗くなっていますが、実物はもう少し箔の焼け色が複雑です。会場の明るさや光の当たり方によっても見え方が大きく変るので会場で見るのが楽しみでドキドキです。
お時間都合のつく方は、是非、会場までお立ち寄り下さいね。
入選者の皆さんの作品を拝見すること、saccoも楽しみにしています。
本日もお立ち寄りいただきありがとうございました。