こんにちは、saccoです。
今日は、油彩画のクリーニングのお話です。
三年ほど前に制作した油彩画を今年12月の個展に出品しようと、物置部屋からゴソゴソ取り出してきました。
簡易包装を解いて久しぶりに再会した作品、え? ええ? えええええ? 何、これ、梱包材のプチプチの跡が画面にびっしり着いています。まじですか~~~
作品は白亜地の支持体に油絵の具で描いた静物画です。
白亜地を作るセミナーで、そりゃもうとびっきり時間と手間暇をかけて作った美しい支持体、それをバッチリ活用するべく気合いを入れて描いた作品です。
17世紀のオランダ絵画みたいなのを目指したのですよ、暗い背景に蝋燭の光、グッとくる感じの細密画。
古典絵画のような光沢のある画面に仕上げたかったので、制作にはルツーセを多用しました。
う~~~ん、なかなかいい感じに仕上がりましたよ。
で、半年ほど経ったとき、ある展覧会に出品するため、作品を額装無しでそのまま梱包して送付しました。展覧会が終了して作品が手元に戻ってきたので、そのまま開梱せずに放置していた訳です。
作品を送付する際には乾いていると思っていたのですが、油彩って1年以上は置かないと完全に乾かないらしいです。
まして、ダンマル樹脂系のワニスを多用したため、画面は更に安定しない状態だった訳です。
ああ、無知って悲しい。。。。
渾身の一枚には、ぷちぷち、ぷちぷちとキュートなドット柄が。。。
いっそ、背景の壁に柄があったってことにしましょうか、、、^_^;
という無理な言い訳で納得できるわけもなく、思い切ってクリーニングしてみることにしました。
方法は、というと綿ブロードの端切れ(パリっとしていて毛羽立ちの無い布)にペトロールを含ませて、そ~っと撫でる、そ~っと、そ~っと撫でる。。。
・・・・・・
おおお、大丈夫でした。絵の具が動くことなく画面は少しずつ滑らかに。
一杯ついていた埃も目立たない程度に取れました(←管理悪過ぎ^_^;;;)
大丈夫そうだったので、少し強めにキュキュっとスリスリして画面をクリーニングしました。
最後に上から柔らかい筆でルツーセを塗り修復完了!!
なんとか出展できる程度に綺麗になりました。(画像は修復後の作品です)
という事で本日の教訓
- 油彩画は絵の具がしっかり固まるまで(最低一年以上)取り扱い要注意!特にニスを使った絵画は要要要注意!!!(そもそも、傷、埃がつかないように管理する。当たり前か~!?)
- 万が一、画面が汚れたり傷がついた場合は、テレピン、ペトロールなどの溶き油でそーっとクリーニング
以上、saccoの油画クリーニング体験記でした。
ただし、使用した画材や絵画の状態によっては絵肌が荒れるケースもあるかと思います。隅っこでそおっと確認してから作業することをお勧めします。あくまでもトライする場合は自己責任でお願いしますです。
本日もお付き合い、ありがとうございました。