こんにちは、saccoです。
いよいよ年明けもカウントダウン。しかし、年々、年越しの盛り上がり感がなくなり、なんとなく普通に今月終わるし~、くらいの気分です。歳とったせいでしょうか、世の中がそうなっているのでしょうか。
理由はよく分かりませんが、のんきにリアリズムがどうのって、忙しい師走に関係の無い記事を書いてみようと思います(笑)。
こちらは、アートスクール大阪の白亜地セミナーで初めて描いた作品です。
ご覧の通り、イチジク三個。
制作の背景を簡単にご説明しますと、アートスクールに新しく来られたリアリズム系画家のM先生が、白亜地セミナーなるものを開設されまして、受講生の皆さんと、いっせいのせい、で描きました。
白亜地とは、板の上に麻布を膠で貼り付け、そこに白亜を塗り塗りしまして、紙やすりでツルツルに仕上げた支持体です。アクリル系ジェッソで作る下地と似ていますが、アクリルよりも吸湿性が高いのが特徴です。カンバス地よりは、う~んとキメが細かく、緻密な描き込みに適しています。
リアルを極める画題、という事で、生徒さんが持ってきてくださったイチジクを撮影用の暗箱(ダンボールで作成)に入れて、スポットライトを照てて、写真撮影。その写真を元にみんなで制作しました。
描き方の手順としましては、まず、混色で作ったグレーを明暗の階調だけで描画し、一通り描き終わったら、固有色(物体そのものの色)を使って実体に迫っていきます。
ド素人(私の事です)が絵画を始めると、上手い = ほんものソックリ、という価値観を持ってしまいがちです。うわ~、写真みたい~、というお褒めの言葉を頂く事が良くありますが、写真みたいに描くのベストであれば、写真でいいじゃない、という話になります。写真みたい~、という表現は時として揶揄であったりもします。
そんなこんなで、写真みたいな描写よりも、自分らしいデフォルメ、オリジナルの絵画感、みたいな物を追い求めることにことにこそ価値がある、的な価値観にそれとなくヤラレておりました。が、正直なところ、実体に迫る作業は大好きなんですワ、私。
磯江 毅さんの作品なんかも大好物です。
で、本セミナーで、今まで無理に封じ込めていた想いを解放し、こころおきなくリアルに迫る作業をしてみました。
結果、思う事。やっぱり写真とは違いますワ。なんとうか、リアルを極めた静謐な画面からは、強~いメッセージを感じます。また、作家が思っている以上に、鑑賞者が様々な哲学を感じられるようです。
今回開催した、大阪長居の個展でも、リアリズム系の作品の人気は高く、観る人になんらかの感動を与える事ができたようです。
今回の個展の結果もあって、やっぱり私はリアルを追求する制作を続けて行こう、それでいいんだ、と思えた次第です。
自身の制作は、自身の価値観で確信を以て臨めばいいのですが、人様の評価に心が揺れるヘロヘロ作家のsaccoなどは、こうして第三者にご意見いただきながら進んで行くのもありかな、なんて感じるきっかけとなった個展でした。
ご鑑賞、ご意見いただいた皆様、どうもありがとうございました。
はあ、今年も暮れていきます。いい一年でした。
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。