こんばんは、saccoです。
随分とご無沙汰をしております。少し寒さが緩んだと思いきや、また冷え込んで来ましたね、皆さん、お元気でしょうか?
さて、本日はちょっと技法のお話です。
現在、制作中の混合技法の作品にデカルコマニーの技法を取り入れてみました。
デカルコマニーとは何ぞや???と思われる方が多いのでは無いでしょうか。
ちょっと解説をしておきましょう。
デカルコマニーとは、もともと陶器やガラスの転写に用いられていた技法を、オスカー・ドミンゲスというスペインの画家が、1935年頃に絵画技法に転用したのが始まりのようです。支持体に粘度のある絵具をもっちり乗せて、上から紙などを圧する事でできた偶然の模様を絵画に取り入れた技法です。
詳細はwebを検索するといっぱい記事が出てくるので詳しく知りたい方はご確認いただければと思いますが、現在の日本では子供向けに使われるケースが多いようです。幼児が楽しく簡単に想像力を育むことのできる技法として活用されているようです。
で、saccoが幼児教育を始めたのか、というとそういう事ではなく、混合技法の作品の部分にデカルコマニー的技法を取り入れてみた、という話です。
先ずは画像でご確認いただきましょう。
こちらは石膏下地の上にインプリミトゥーラで一層目を作り、下書きが終わった後にデカルコマニーを行ったところです。
今回は馬の暗部を透明色を活かしたデカルコマニーで抜け感を出しながら仕上げて行こうと思います。また石畳にもデカルコマニーを使ってみました。
具体的な手順は以下のとおり。
① ダンマル:テレピン=1:1で溶剤を作ります。ダンマルが多いのでモッチリ、ネチネチしています。ダンマルもしくはマスチックでもOKです。
② ①で作った溶材に透明色の絵具を混ぜてデカルコマニーをする箇所に少し厚めに塗布します。コリンスキーなどの柔らかめの筆で置いて行く要領です。
③ 絵具が塗れたら、乾かないうちにテレピンで絵の具を取っていきます。馬の部分は、綿棒の先にテレピンを付けてポンポンと軽く叩く事でまだら模様を表現しました。
④ 石畳は同じく溶剤+絵具を少し筆ムラができる感じにランダムに塗布し、丸めたティッシュにテレピンを付けて、軽くタッピングし絵具を取っていきました。さらにその上から白のテンペラ絵具で軽く形を起こしておきます。
ここまででデカルコマニーの仕込みは終わりです。後は1週間ほどおいて完全に乾かしてから、いつも通り油絵の具と白テンペラで絵具の層を作り込んでいきます。
こんな感じで、透明感のあるデカルコマニーの調子を活かしつつ描画を進めます。
その後、更に具体的に描き込んだところです。
不透明な絵具の抵抗感とデカルコマニーの抜け感、バランスを見ながら少しずつね。
この作品は背景を金箔にしてみたのですが、デカルコマニーの軽い感じと相性が良いのでは無いでしょうか。
さてさて本日は、混合技法にデカルコマニーの技法を取り入れた制作のご紹介でした。
なかなか楽しいので、暫くデカルコマニー+金箔で作品造りをしてみたいと思います。
皆さんの参考になれば幸いです。
本日もお立ち寄りいただきありがとうございました。
まだまだ寒い日は続きますが、段々と日差しが春めいてきて心弾むシーズンですね。楽しい事がいっぱいありますように。。。