こんにちは、saccoです。
昨日は先日来取り組んでいる混合技法の薔薇に手を入れました。
ところで、ゴールはこちらです。少しイエローがかった白い薔薇。
お花屋さんで購入して自宅で撮影しました。
少しずつこの薔薇の花に寄せていく訳です。
混合技法では、不透明のテンペラ絵具で描き起こした上から、グレーズと言って透明、もしくは半透明の油絵の具を薄く塗り重ねる事で絵肌を作ります。
ところで上の画像、良く見ると影色は一色ではありません。花心近くはオレンジっぽい色味ですし、周辺の花びらの影はグレー。
前回までは、グレーズにオレンジや褐色系の色を用いてきましたが、その繰り返しでは少し紫に振れたこの影色は作れません。
そこで先生に教えていただいたのが「おいしいグレーズ」です。それって何?
はい、一度のグレーズで2色を使うグレーズの技法だそうです。
方法としては二つあるそうです。
1.場所により二色を塗り分ける。
2.先ず明るい色(黄色)で全体をグレーズし、濃いめの色(紫)を上から部分的に入れていく。
1,2とも色を置いた後はたたき筆で色を馴染ませ、強く付き過ぎたところは絵具を少し取ってあげるようにして、決してパッチワークのようにならないようにします。
で、今回は色を重ねる2.の方法で描く事にしました。
どちらも経験しておくと良いですよ、とは先生のお言葉。それぞれの技法の特徴を知って、上手く使い分けが出来るようになるといいですね。
という事でおいしいグレーズを終えたところです。画像では解りづらいですが、黄色を全体的に入れ、その上から紫を部分的に塗って、たたき筆で馴染ませたところです。
(もう少し、しっかり紫を入れても良かったかな。。。)
そして、この上から更に薔薇の形と花びらの質感を追って白テンペラで描き起こして行きます。
今回は1時間程しか時間が取れなかったので、上の状態で一旦手を止めました。
白ハッチングがしっかり入ったところは、だいぶ質感が出てきました。
次は2日後まで制作時間が取れないのですが、グレーズした絵具が乾いてしまうとテンペラ絵具が入りません。一度、グレーズした箇所には絵具が乾く前に一通りの作業が終えられるように計画的に進めることも大事です。乾いてしまったから、とグレーズを必要以上に繰り返すと、画面が脂っぽい感じになってしまいます。
ここで、混合技法の影の部分の描写について、一言、追記しておきます。
(混合技法も様々なアプローチがあるかと思いますので、saccoが習っている混合技法、という事でご理解ください。)
一般的には、影を描写するには、影の色を絵具で作って塗ればいいじゃん、と思われるかと思います。しかし、白テンペラにグレーズ、という手順で描く場合、明るい部分にもっちりとテンペラの質量感が盛られます。そこで、影の部分も不透明絵具などで影の形に沿って絵具を置いていくと画面全体がもっちりもっちり重くなります。先生はそれを「呼吸できない」、と表現されます。質量感を出したい部分を絵具で十分に張らせる一方で影の部分はゆるく抜ける感じにすることで、画面全体のバランスが美しくなります。ですから暗部に不用意に色を重ねたくないのです。
この感じ、最初は先生のおっしゃることが理解できなかったのですが、最近、ようやく腹墜ちしました。作品枚数を重ねると、この混合技法特有の感覚が少しずつ身についてきます。それでも解らない~、という方はスクールでお声かけくださいね。実際の作品を以てご説明しますよ。
をさてさて、小さな作品ですが、まだまだ完成には遠いです。
一つずつ技法を習得して前に進みます。
本日も、お立ち寄りいただきありがとうございました。