こんにちは、saccoです。
この間の日曜日、今、大阪市立美術館で開催されているフェルメール展に行きました。日本ではフェルメールは大人気なので、さぞかし混み合っているだろうと思っていたのですが、雨天のせいもあってか、割合と穏やかな混み具合でした。
さて、フェルメール。寡作の画家ですから、本展のフェルメールの作品は6点と少ないですが、さすがにその他の画家と比べると秀逸さが際立ちます。
絵画の鑑賞の仕方は十人十色。感じ方もそれぞれですから、あまりウンチクを垂れるつもりはないのですが、絵を描く人間は、そうでない人とはちょっと違った見方をします。そう、つまり自分が苦手なところ、日頃うまく描けないことろを些細に観察する傾向にあります。そして、主役より脇役の処理の仕方に注目してしまいます。
例えば、陰の部分、しかもう~んと暗くて殆ど見えない部分の描き込み具合。
陰側の顔の輪郭線の処理の仕方。天井や窓枠、床のタイルのパースの取り方。そうした脇役が自然に決まらないと、いくら主役を描き込んでも何故だかぴりっとしない画面になってしまいます。
そしてフェルメールの場合、やはりこの空気感の表現を盗みたい、と思ってしまいますね。室内の湿度や光の質量、古い柱の木の匂いまで感じてしまうのは私だけでしょうか。う~ん、どうしたらこの柔らかな空間が表現できるのでしょう。。。
「感覚」を具体的な作業レベルに落とし込んで技術を学びたいものです。
フェルメール大阪展は5月12日までです。会期は長いですが終盤になると更に混雑するかと思いますので、興味のある方は早めに足を運びましょう。それぞれの視点で穴が空くほど作品を見つめて、いっぱいの「なるほど」をアトリエに持ち帰りましょうね。
本日もお付き合いいただきありがとうございました。