お絵描きeveryday

趣味で続けている絵画を通じて、皆さんに情報発信していきたいと思います。多くの皆さんに鑑賞していただき、ご意見頂けるよう、頑張って更新していきたいと思います。

幸せな記憶 プロヴァンスのセニョン村

こんにちは、saccoです。

ゴールデンウィークは実家に帰ってのんびりと過しました。

実家の押し入れの中をごそごそしていると、昔の旅の写真が山のように出てきました。絵画の素材として使えそうな写真は無いかな~、と、むさぼるように見入ってしまいました。もうかれこれ30年以上続けてきた旅の思い出は、今や私の大切な宝物です。

どこが良かったかと聞かれても、どこもここも良かったのですが、しいて言うならばあまり観光地としてはメジャーではなく、知る人ぞ知る、みたいなところに行った時の思い出はいいですね。ほっこりします。

そんな中でも最も印象的だった所の一つがプロヴァンスのセニョン(SAIGNON)村です。

旅をしたのは1997年、なんと22年も前のこと。当時、ピーター・メイルの南仏プロバンスの本がヒットし、日本でもプロヴァンスがメジャーになった頃と記憶しています。

セニョンを知ったきっかけはフィガロ・ジャポンに掲載されたプロヴァンスの特集記事でした。セニョン村はガイドブックにも殆ど掲載される事の無い小さな小さな村ですが、村唯一の宿泊施設であるプレスビテールという名のオーベルジュを取り上げた記事がなんとも魅力的で、それが目的でプロヴァンスに行くことを決めました。

インターネットでホテル予約、なんて時代ではありませんでしたので、フランス在住の知人に電話で予約を取って貰った事を覚えています。

南仏のエクス・アン・プロヴァンスからバスに乗ってリュベロン地方のアプトまで行き、そこから4Kmほど離れたセニョン村へはタクシーで向かいました。

長閑なラベンダー畑を車窓から眺めながら到着したセニョンは、もう、本当に小さな小さな石造りの村で、人影も殆どなく、自然の音だけが聞こえる静かな静かな村でした。楽園、というような晴れがましさではなく、遠い夢の記憶の風景、という表現の方がしっくりきます。

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そしてオーベルジュ・プレスビテールは、期待を裏切る事なく、というか期待以上のそのノスタルジックなしつらえ、ホスピタリティーの高さで迎えてくれました。

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  オーベルジュの前の小さな噴水

 

宿に着き早速チェックイン。迷路のような階段をギシギシ言わせて登り、大きくて重たい扉を空けたところにある古い柱が印象的なお部屋に案内されました。

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 扉の向こうはこんなお部屋♡

 

まだ時間が早かったので村を一歩きし、お部屋に戻って一風呂浴びて、それでもまだ日が高かったので、夕刻までこれといった名所・旧跡は無い村をぶ~らぶら散歩して過しました。頬を渡る優しい風の感触を今でも覚えています。

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 教会、だったかな?

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 村の子供達

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 夕暮れ時のセニョン

 

夜には、他にお客様もなく貸し切り状態のホテルのレストランでお食事をいただきました。この時のメニューの一つ、オレンジで味付けをしたホタテのソテーが凄く美味しかったと、うちの母はず~っと折りに触れては思い出話をしたものです。今頃、天国でも言っているに違いありません。

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 レストランでちょっとポーズ

 

慌ただしく駆け巡る旅の途中で立ち寄った、な~んにもないセニョンでのんびり過した記憶は、今でもふっと思い出され、私をその時の幸せな気分に引き込んでくれます。

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 シトロエンの2CVがセニョン村にはなんとも良く似合います

 

さて、そんなセニョン村、20数年ぶりにスケッチブックを持って再訪してみようかしらん、と調べてみたのですが、なんとプレスビテールは既に閉館しておりました。

軽いショックとともに あの幸せな時間を記憶の中に封じ込める事ができた事への安堵感を覚えました。遠い昔の幸せな時間、もう決して戻れないという切なさと共に、そっと置いておくのも良いものですね。メジャーになってピカピカに改装したプレスビテールなんか見たくありませんもの。

 

本日はsaccoの懐かし旅話でした。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

 

さて、とゴールデンウイークも終わり、また明日から平常の生活に戻ります。

戻れる日常があることに感謝しつつ、明日からも頑張って行きましょう!

 

 

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