こんにちは、saccoです。
本日も前回同様、マイナーな観光地シリーズで行きますよ。
今日、取り上げるのはフィンランドのサボンリンナという所です。
場所はカレリア地方、ヘルシンキから鉄道とバスを乗り継いで4~5時間程かかったと記憶しています。
訪れたのは2004年7月、15年も前の事ですね。
その年は夏のオンシーズンにお休みが取れたので、北欧三国を方々巡ることにしました。私と母はクラシックコンサート、オペラ、バレー等の鑑賞が大好きなので、各地のコンサート情報を探したのですが、北欧はあまりその辺が充実しておらず、これといったイベントが探せないまま出発の日は迫っておりました。ま、無いものは仕方ないね~と諦めかけていた出発直前のある日、見つけてしまったのです。フィンランドのサボンリンナという地で夏の期間開催されるオペラ・フェスティバルがあるということを。
ええ~!? もう全体の行程も組んで飛行機から鉄道からホテルから予約は完了しています。でも、でも、行きたいよ~~~う。
という事で帰国前のヘルシンキ3日間の滞在期間中に、サボンリンナまで1泊2日、弾丸ツアーを企画しました。
慌ててサボンリンナの観光案内に電話をかけて、コンサートのチケットと宿泊をゲット。英語は全然自信ないんですけど、行きたい一心で、この時の行動の早さと要領の良さは、未だに自分でもあっぱれであったな、と自画自賛しております(^_^;)。
チケットも宿泊も残数僅か、ギリギリで手にする事ができました。
こうした訳で、ノルウェーだ、スウェーデンだとしこたま遊び回った旅の最後に、サボンリンナに向かったのでした。
サボンリンナは上述のとおりヘルシンキから遠く、飛行機で移動した方が効率が良かったと思うのですが、、、この片道5時間の旅がまた良かった。行けども行けども続く湿地帯、湖、森、、、ああ、これが森と湖の国と言われる所以か、と強く実感しました。ヘルシンキだけでは味わう事のできなかったフィンランドというお国の成り立ちを その魅力を味わい尽しました。それにバスでの移動は地元の人たちとふれあう事ができて、これまた楽しいんですよね~。
長旅の末に到着したサボンリンナは湖畔にできた保養地でした。日本で言うと芦ノ湖か、富士五湖みたいな感じかなあ。湖畔には市場やお土産物屋さんなどの屋台が立って楽しげな感じでした。
そして、なんと言ってもオペラが開催されるオラヴィ城。
ここは、ドラゴンクエストのモデルになったお城だそうです。
湖につきだした形で建設されており、かつてはロシアとの国境地帯に築かれた要塞だったとの事ですが、今は長閑な佇まいです。
いったん宿泊先に戻り、ちょっとオシャレをして夕闇迫るオラヴィ城に向かいました。あ、違います、7月のフィンランドは夕闇迫らないんです~。サボンリンナはヘルシンキより、まだもう少し緯度も高く、夜8時の開演時間には、まだ昼間のような明るさでした。そして、お城に向かってドレスアップした紳士淑女がゾロゾロ、ゾロゾロ集まってきました。この頃、ヨーロッパの劇場は、もう既にすっかりカジュアル化しており、どこの名だたる劇場に行ってもドレス姿の人を見かける事は希になっていたのですが、サボンリンナは違いました。美しいご婦人がカクテルドレスを身に纏い、白い肌に黒いドレス、湖に古城、、、映画のワンシーンのような光景でした。アジア人を見かける事もなく、異国情緒満点、私、こんなところまで来てしまいました~、と感慨ひとしおでした。今でも夢を見ていたような不思議な気分になります。
オペラの演目はホフマン、ゆったり流れる舟歌のメロディと緩やかに黄昏れていく北のお国の風情がセットになって、今でも私の幸せな記憶です。
こちらは、2004年サボンリンナ オペラ・フェスティバルのパンフレットの表紙です。
いや~、常日頃、断捨離に精を出しておりますが、捨てなくて良かった。
オペラが始まり、ライトアップされたオラヴィ城はこんな感じです。
オペラはお城の中のこんなスペースに会場をしつらえて開催されます。
幕間には城壁のそばにしつらえられたホアイエでシャンパンを頂きつつ、緩やかな緩やかな湖面を眺めていた時間が今でも懐かしく思い出されます。
ゆる~い感じの宵闇がオラヴィ城を包み込みました。
夜の10時も回った北のお国は、パステルカラーの静かなさざ波とともに少しずつ少しずつ暮れて行きます。
オペラがはねた頃には日付が変わる時間になっておりまして、そのまま夢心地で湖の上にかかった線路脇のちょっと恐ろしい道を歩いて宿泊先に戻りました。転落しなくて良かったこと。。。
宿泊先のバルコニーからも湖が見え、何時になっても緩~いパステルカラーのさざ波が優しくたゆたっていました。
さて、こんな夢のようなサボンリンナ、ちょっと調べてみたら、こちらのフェスティバルは今でもやっているようですね。
いつかまた再訪したいな、でも、とっても遠くて、もう行く事もないのかな。
遠い過去の記憶にとどめておくのも、またステキですね。
本日は、saccoの旅話にお付き合いいただきありがとうございました。
あ~、どこかに行きたくなって来た。。。