こんにちは、saccoです。
本日は、絹本を使った日本画の描き方について。
恐らく手順はいろいろとあるのだと思います。さすがに絹に描くとなると、それなりに気をつけなければいけないこと、知っておいた方が便利な事などが細々とございますゆえ、現在、saccoが練習用に描いている試作品を以て手順をご説明させていただきますよ。お試しになって、皆さんなりの手順を構築されてはと思います。
支持体である絹本の作り方はこちらを参考にしてください。
先ずは下書きです。
今回は、F4サイズの木枠を使って作成した小さな絹本を使いますので、金魚を一匹描く事にしました。絹本は透け感が美しく、絹の裏側からも彩色できるという特徴を活かし金魚を選びましたよ。
絹本に描く場合は、基本的に一発で線を決めていく必要があります。描きながら修正、というのは原則できません。
ですから下書きはとても大切です。
で、描いてみました。
^_^;^_^;^_^;
恥を忍んで画像をアップしますが、正直、ヘタクソ。
いや~、私ってここまで描けない人だったのね~、と愕然。
なんと言っても尾びれが難しかったです。ヒレヒレ~っとしたたゆたい感を線の曲がり具合、間隔で表現しないといけません。できないし~;_;
ここはへこんでいても仕方ないので、三回も描き直しをしました。
無駄な作業のようにも思えますが、紙と鉛筆で描けないものが、絹に筆で一発で決まる訳もなく、、、修練と思って頑張りました。
さて、描画力については別途の課題といたしまして、とりあえず下書き完成と見做し、描き終わった線画のコピーを取って、絹本の裏側に二隅をテープで貼り付けました。
コピーを取る理由ですが、描画中に下書きの紙が水を吸ってビロビロになる事があるからです。原画は汚さないように置いておきましょう。
あとは、下書きの線を頼りに表から絹に描画していきます。
先ず、金魚の白い部分を胡粉で描きます。胡粉は白いですので、白い絹本に描き始めましたが、描いた線が見えない~~~~。ヒエ~。
急遽、色紙にコピーを取り直しました。上の画像は薄い水色のコピー用紙を絹本の裏面に貼り直し、胡粉で描き始めたところです。水色にした事で胡粉の白が見えやすくなりました。
後は、調子を見ながら水肥絵具の赤い色を重ね、また胡粉を置き、と繰り返しならが描画を進めます。上の画像は解りやすいように後ろに黒いパネルを当てています。
だいぶ、ムッチリと絵具が入りました。
絵具は単調にならないように赤以外に橙や黄色、そして少~し金なども加えております。ゴ~ジャスに。
下書きで苦労した尾ひれは、本書きでも苦慮し線の本数を増やしてごまかしております。ご勘弁を。。。
影色の部分は、影色を塗るのではなく、胡粉を薄塗りにして透け感で表現します。光があたった鮮やかな質量感のある部分にしっかり絵具を入れて行く事で描き分けます。
ただし、絹本に描く場合は、あまり絵具をモリモリにすると後でパリパリと剥がれる恐れがありますので、盛り上がらない程度に重ねる事が注意点です。
さて、金魚の描き込みがある程度できましたので、絹本の裏面から色を入れていきます。ハケを用います。
どのような点に注意をするかと言うと、ハケむらなく均質に美しく色を入れる、という事です。
そのために絹の裏面に霧吹きで軽く水分を与えておきます。
霧吹きは絹本から離して均一にうっすらとかけましょう。近くからシュワっといくと水滴になってしまいます。^_^;;;
以下が裏から色入れ完了したところです。
色は、黒だとちょっと堅くなるかな、と思いまして、水肥の黒に少し緑を混ぜております。
少々むらはありますが、ま、よしとしましょう。
が、実際は~、一発で決まった訳ではなく、最初は案の定、見事にヨコシマが入ってしまいました。助けて先生~~~~。
という事態になってしまいまして、以下のように再度教わりました。
上は練習用の絹本を使って練習しているの図です。
先ず、絵具はたっぷり多めに作成します(ハケがかなり吸います)。
そして、ハケに十分どっぽり絵具を含ませたら、そ~っと絹に絵具を置いて行きます。
ハケの方向はゆっくり右に引きますが、手の動きは細かく上下に動かします。「塗る」のではなく「置く」感覚です。上記の感じで下から一段ずつ色を置いて行きます。そして、木枠を軽くトンっと叩いてあげると、フワッと絵具が広がってさらに均質なるそうです。
いやん、先生、最初から教えてよ。。。ボソッ
が、ま、しかし、シマシマ模様になった上から、再度上記の彩色をすることで、なんとか見られる程度のムラにまで改善しました。ふ~~
さて、裏彩色の水の表現を完了しまして、後は、また表からもう少し金魚の描き込みをして完了です。
ちょっと、目つきの悪い金魚となってはおりますが、、、
上手く描けたらまたアップしますね。
いつまで経ってもアップされなかったら失敗に終わったと思っておいてください。。。
以上、本日は絹本への描画のHow to でした。ご参考になれば幸いです。
本日も長々とお付き合い、ありがとうございました。