今日は日本画の基本、膠水の作り方です。と言っても湯煎などは行わずお手軽バージョンです。
膠は接着剤ですから、当然に濃度が薄いと絵具がしっかりくっつかず剥落などのリスクを伴います。特に番手の荒い岩絵の具などは注意が必要です。
だからと言って濃いめの膠を使うと、絵具の鮮やかさが失われてしまいます。また、乾いたときにくっきりと膠染みができたりしてしまいます。
実はとってもデリケートな画材なのですね。
ですから、お手軽と言っても計量はきっちり行います。
後は回数を重ね、自分にとってのいい頃合いを見つけてください。かく言うsaccoも、まだあまり数を描いておりませんので、先生のおっしゃる通りに作りますよ。
膠には、三千本膠とか高級なものもあるようですが、普通に廉価で手に入る粒膠を使用します。
膠水は8%くらいが使い易いようです。
膠は動物性のコラーゲンですので、基本的に水に溶かしたらあまり長くは保存できません。ですから使う分ずつ作ります。
今日は50ccの膠水を作ります。
50ccの水に対し、膠は4g。測りを使って正確に。
粒膠を入れた空き瓶にこれまた正確にお湯を50cc入れます。
膠は沸騰すると接着力がなくなります。60~70度の湯煎で溶かすのが正式のようですが、普通に給湯器のお湯(お茶を入れるくらいの温度)で大丈夫です。
こんな感じで正確に。
普通にご家庭にあるキッチンスケールでo.k.ですね。
画像は1g単位の測りですが、4gの膠を正確に測るためには、0.1gの測りがお勧めです。
新規で購入する場合は、こういうのを選んでください。
タニタ はかり スケール 料理 洗える 2kg 0.1g ホワイト KJ-212 WH
お湯を入れた瓶をフリフリしてしばらく放置すると膠が溶けます。
溶け残りがあった場合は、お湯に浸けて溶かしてください。湯煎の温度は60~70度とのことですが、普通に給湯器のお湯を器に入れて膠水の入った瓶を浸けておくと溶けますよ。
良く混ぜて出来上がり。
保存は1~2ヶ月を目処に冷蔵庫に入れて。
冷蔵庫から出すとゼリーのように固まっていますので、瓶ごと電子レンジでチンして使います。この場合は、当然ですが沸騰しないように気をつけてください。膠が溶けたらo.k.です。分量にもよりますが、50ccなら15~20秒くらいでだいたい溶けます。
さてさて、お手軽な膠水の使い方をご紹介しました。
膠水は日本画制作の随所で使いますから、常時使えるようにしておくと便利ですね。
以上、本日もお付き合いありがとうございました。