お絵描きeveryday

趣味で続けている絵画を通じて、皆さんに情報発信していきたいと思います。多くの皆さんに鑑賞していただき、ご意見頂けるよう、頑張って更新していきたいと思います。

パース ワンポイントレッスン タイルを描くの第二弾

こんにちは、saccoです。

本日はゴールデンウィーク・スペシャルと言うことで、パース ワンポイントレッスン第二弾です。

って、大層な描き出しですが、頭で理解したことを纏めて人に分かるように噛み砕く事はなかなかに難しく~、ま、結果として自身の理解を深めることにも大変役立っているから頑張ろうね、と自らを鼓舞しつつ。。。

半ば泣き言のような前置きが長くなってしまいました。さっさと始めます。ハイ

 

本日は前回の続きです。

www.art-sacco.com

前回手順に従い、タイルを描いてみました。そっかそっか~、DP(距離線)を決めて、三角定規使って線を引いて行けば描けるやん、簡単やわ~、と描き進めてみた結果は以下です。(図1)

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あっれ~、タイルの横線がなんかすごく混み合ってる~-_-;;、背後の窓よりう~~~んと手前にニャンコさんが居る。いや、そんなはずじゃなかった、ニャンコさんは窓辺にはべらしたはず、でした。

う~~ん、何が不味かったのでしょう。ブンブンとsaccoの頭のCPUを唸らせて(スペック低いんで^_^;)、やり直した結果は以下です。(図2)

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DPの位置を左に移動して、タイルとDPを結ぶ対角線の角度をもう少しキツくしてみました。お、これだとニャンコさんと窓の間のタイルの数は3枚ほどに収まり、なんとなくいい感じです。

え~~~?、ではでは、画面を構成しようとした時、DPをいったいどのように決めたらいいんでしょう。聞いてませんワ、先生!

 

このDPの位置を決めるのが画角というものです。

画角が90度、とはHLの高さ(すなわち床面から自分の目線の高さまでの距離)と同じだけ離れた位置を画面の底辺に設定した場合の視野の広がりです。要するに、上図で言うと一番手前のタイルの位置が自分の身長(正確に言うと目の高さ)約150cmほど離れた位置にある、という訳です。分かりますか?

自分の身長分しか離れていない所から描く、という事はすなわち近景で、室内の描写などの場合には画角はこれくらいを標準に考えると描きやすいようです。

一方、図1の場合は、立ち位置をもっともっとセットバックして、自分の身長よりだ~いぶ先にある景色を描いた状態です。こうすると画角は90度より小さくなり、DPの位置は右に遠のいていきます。屋外に出て風景画などを描く場合は一般的にDPは遠く、画角は小さくなります。遠くの穏やかな優しい画面になりますね。反して自分の足元に近いところから描く、すなわちDPを近く、画角を大きめに取るとズームの効いた躍動的な作品になります。図1の場合は、広~い室内を遠くから眺め、手前の方にニャンコさんを座らせた配置になっています。描きたい絵と全然違う構図になっていた訳です。無知って辛いわ。

 

画角、とはそういうもの。難しく考えなくても、なんとなく皆さん感覚的には理解している事ですね。でも、いざ白紙に向かうと分からなくなってしまうものです。

 

はいはい、分かりましたよ。画角とパース図の関係、で? DPってどれくらいにしたらいいんですか?頭悪いんで、もう少し直ぐに手が動かせるレベルで教えてください、先生!

 

という我が儘なsaccoの要望に対して、先生が教えて下さった次なる秘策は以下のとおりです。

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こちらは、目線を床面に下ろして30度に交わる線です。それが何か?

水平面に対し30度の角度になる位置にある図形は縦・横の比率が1:2になるんだそうです。すなわち、こういう事。

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目線と30度の角度で交わる位置(自分からの距離)にある正方形のタイルは、正方形のタイルの手前の一辺の長さ(a)の半分がタイルの高さになります。

ニャンコさんの足元が丁度30度の角度になるくらいの距離だと想定すると、

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タイルの高さが決まり対角線が決まります。そこからHLまで線を延長し交わった場所がDPです!

やったあ、DPを決める事ができました。

後はこのDPを頼りに手前のタイル、奥のタイルの横線を決めて行きます。

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 はい、ようやく床面のタイルの形を決める事ができました。

上の構図を横から見るとこんな感じです。

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 分かりやすいように自分の立ち位置から椅子までの距離を記載しました。目線の高さ150cmの約2倍3m先の目線と床面の角度は26.6度、ほぼ30度ですので、上で説明したとおり椅子の下のタイルの横と高さの比率を2:1としてDPを決めます。

椅子の2枚手前のタイルが画面の下限になります。Xの位置です。この立ち位置からXまでの距離を150cmにした場合の画角が90度です。このまま後ろに下がって行くとXまでの距離が大きくなり、画角が小さくなってDPは画面から遠ざかって行きます。より遠くから室内を描く構図となるわけです。

さて、ようやくタイルの形どりは完成です!

 

本日は、前回の消失点、DPに加えて、画角という考え方を学びましたよ。

あまりガチガチにパース図のような堅い画面は絵画表現には不要かも知れませんが、原則を頭の片隅においておくと、安定感のあるかっこいい画面が作れるのではないかと思っています。

 

さてさて、何かと狂っていた頭、いえいえ構図を見直して、もう一度整理し直したのが下図です。

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ようやくタイルの形を決めることができ、制作を進める事ができるようになりました。

実際にはDP以外にもいろいろ問題がありまして、例えば、消失点をニャンコさんの溝落のあたりに設定していたのですが、それって巨大ネコってことじゃないですかあ、という事に気づき、再度、ニャンコさんの頭の高さあたりに取り直して、作図し直しこんな所で落ち着きました。

また、DPを決めるには消失点に向かう縦の線(図中ブルーの線)も決めておく必要があります。こちらは描く物の横幅と消失点を直線で結ぶことで決める事ができます。

この絵で言うと、椅子の両足の幅に2枚タイルが入る大きさを想定してニャンコの足元のタイルの横幅を決め、消失点と結ぶ事で全体の縦線が決まりました。

本来、エスキースの時点で決めておくべき事に気付いておらず、描き進める中で考え直し修正する事になってしまった訳ですが、いやあ、いい勉強になりました。

 

知っている方にとっては当たり前の事だったかも知れませんが、案外と原則をご存じ無い方もいらっしゃるのではないかと思います。感覚を頼りに描くだけでいい感じに描けてしまう、という天性のセンスをお持ちの方はともかくとして、saccoのように感覚で描くと画面が破綻してしまう方は、是非参考にしていただければと思います。

本日もお付き合いありがとうございました。

いや~、疲れた!

 

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